2025年3月18日更新
トランプ大統領の公約である相互関税が始まりました。最初に対象となったメキシコ・カナダ・中国は対応に苦慮しています。
アメリカ国内製造業の復活をかけた相互関税は、日本も対象となっていますが、何故かトランプ大統領に日本の消費税も関税と同様だとの批判を浴びせています。
それでは貿易障壁による関税の問題と思われていたはずが、批判の対象が日本の消費税なのかについて検証してみましょう。
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トランプ大統領は関税を利用してアメリカ再生を目論でいる
トランプ大統領は2025年1月の再就任後、主にアメリカ国内の製造業を保護することを目的として、次のとおり関税政策を打ち出しました。
① カナダ・メキシコからの輸入品に対し25%の関税を課す。
② 鉄鋼・アルミニウムの輸入品には、どの国からであっても一律25%の関税を課す。
③相互関税の導入を検討(アメリカ製品に課される関税と同等の税率を、その国からの輸入品にも適用する)
次にトランプ米大統領は3月13日、世界の貿易相手国との通商関係を再編しかねない相互関税の導入を政権に指示する措置に署名しました。ついに選挙選中に主張していた目玉政策の実行です。
関税とは、輸入品に課される税金のことです。これを引き上げることで、外国からの輸入品の価格を高くし、自国の産業を守る狙いがあります。
今までのアメリカは自由貿易を国策として推進し、積極的に自由貿易協定(FTA)を締結していた国です。 北米自由貿易協定(NAFTA)、日米自由貿易協定等が代表的でオバマ政権時にはTPP(環太平洋パートナーシップ協定)も加盟予定でしたが、トランプ大統領当選後にTPPから離脱を表明した経過もあり、トランプ大統領は貿易政策については、今までの全く逆の政策を実行していることになります。
トランプ大統領が関税政策に拘るのは、行き過ぎた自由貿易が特にアメリカ国内製造業の競争力を弱らせ国内雇用を縮小させたからで、トランプ大統領が関税を導入した背景には、以下のような理由があります。
①アメリカ国内産業の保護
安価な外国製品が市場に流入すると、アメリカ国内の企業が価格競争に負けてしまい、雇用の減少につながる可能性があります。関税を課すことで、アメリカ国内の製品を優遇し、製造業を活性化させる狙いがあります。
②貿易赤字の削減
アメリカは長年、輸入が輸出を上回る「貿易赤字」に悩まされてきました。トランプ大統領は、関税を課すことで輸入を抑制し、国内生産を増やすことで貿易赤字の削減を目指しています。
③中国・EUなどとの貿易不均衡の是正
トランプ大統領は、中国やEUなどの国々がアメリカ製品に高い関税をかけていることを「不公平」とし、同じ水準の関税を課すことで「公正な貿易」を実現しようとしています。
どの政策もアメリカ国内産業を活性化させるもので、肥大したグローバル化された経済に対抗するものです。
当然、日本もトランプ関税の対象となっていますが、その批判の対象は一部ヨーロッパ諸国が導入している付加価値税と日本の消費税なのです。
日本の消費税は輸出補助金です
トランプ大統領はアメリカの貿易相手国が高い関税を課している場合は、報復としてその国からの輸入品に対する関税を引き上げると名言しています。そして日本の消費税も関税と同様だと批判しています。
それでは日本の消費税は関税と同じとは、どのような根拠から言われているかを説明します。
一部ヨーロッパ諸国が導入している付加価値税と日本の消費税は完全な輸出補助金と言われています。
国内業者と輸出業者では消費税の取り扱いが違います。国内業者は経費と利益の差で赤字になれば還付金が発生しますが、輸入業者は常に輸出還付金が発生します。輸出業者は輸出先である外国のお客様から消費税がもらえないから、その分を還付しますとの理屈なのです。
政府や輸出還付金制度を肯定する論者は、「外国の消費者から日本の消費税はもらえず、仕入れにかかる消費税を返さなければ、輸出企業は損をするので還付する」と主張します。しかし、この説明は、とんでもないトリックがあるのです。
自国の間接税を外国の消費者に負担させない(仕向地主義)ことは国際的なルールと認めても、間接税であるアメリカの小売売上税や日本の旧物品税は、免税措置を受けるものの還付金は発生しません。消費税だけが還付金がもらえるのは輸出売り上げをただの免税ではなく、輸出売り上げにゼロ税率で課税しているからです。そして消費税の「仕入税額控除方式」を使って還付金がもらえる仕組みになっているのです。
輸出還付金制度は1948年、フランスで採用された仕組みです。当時のフランスには「製造業者売上税」(税率10%)というメーカーだけが納める税金があり、「なぜ俺たちだけが納めるんだ」と不満がありました。メーカー側は納入業者に払わせることを要求し、その税金分を自分たちが納める税金から控除するように働き掛けました。フランス政府は1948年9月、メーカー側の要求どおり、仕入れに含まれる税金を控除する仕組みを導入。それが、仕入税額控除方式の原型です。併せてメーカー側は輸出売り上げに対する還付金制度を導入させたのです。
その後、「付加価値税」(消費税と同じ仕組み)を導入したときも、仕入税額控除の仕組みを引き継いだのです。狙いはメーカー・大企業の納税額を減らすため。日本もその仕組みにならっているのです。
要するに日本の輸出企業は日本政府から補助金を受け取っていると同等で、実際トヨタなど輸出大企業20社に対する支援は2兆183億円にも登ります。だからトランプは激怒しているというわけなのです。しかしなぜ日本の輸出企業は政府からそれだけ多額の援助を受けられるのでしょうか。
このからくりを知ることでトランプが消費税を批判する理由も分かります。不思議なことに輸出した場合は払わないで、これ企業元々消費税消費税が取られるところか還付されるんです。輸出企業ってのはそれが輸出戻し税です。これどういうことかというと補助金です。
つまり消費税が輸出企業への補助金として使われていました。
アメリカめちゃめちゃ怒ってます。なので間違いなく、日本の消費税は輸出補助金と認定されて追加関税の対象となります。
アベノミクスから始まった日本の輸出拡大
安倍政権以前の日銀総裁は白川総裁で、アベノミクスとは逆に金融引き締め政策を実行して批判を浴びていました。そこから安倍政権が誕生して日銀総裁が黒川総裁に変わり政策転換が行われます。
安倍政権の目玉政策であったアベノミクスとは、異次元の金融緩和として国債の買い入れが実施され、市場に資金が大量に供給されました。これにより金利が引き下げられ、民間金融機関が日銀に預けている当座預金の一部からお金を徴収する「マイナス金利」政策まで導入されました。
異次元の金融緩和により円安が進むと、海外市場における日本からの輸出商品の価格競争力が高まりました。これにより輸出産業は活性化し企業の設備投資も促進され、景気が回復するとの理屈です。
確かに大幅な金融緩和と円安政策のアベノミクスは当時の経済状況を考慮すると、間違った政策ではありません。ただし二度の消費税切り上げと、何故か金融緩和で増えたお金はアメリカへ流れ日本国内を潤し投資拡大は起きませんでした。この結果からするとアベノミクス本当の目的は、アメリカ闇側への資金提供と大手輸出企業の業績拡大だったのかもしれません。
これからは自国生産が主流になる
トランプ大統領の推進している経済政策は、製造業の国内回避で自国で消費する物は自国で生産する自家生産を目指しています。だからアメリカへの企業投資を呼びかけています。トヨタがアメリカで車を売りたければ、アメリカに直接投資すればよいと言っているのです。賃金の安い発展途上国に工場を作り、迂回してアメリカへ輸出するのであれば関税をかけるし、消費税というインチキの輸出補助金を使うなら、その分も併せて関税をかけますよということです。
特に屁理屈を言っているわけではなく、ごくまっとうな見解だと思いませんか。
グロバーリズム政策による規制なき自由貿易によってグローバル化した市場は、競争が激しくなり、企業はコストを抑えるために、より低賃金な労働力を求めて海外へ雇用を広げようとするため、自国の産業は衰退して失業者が増えます。それによる弊害は、自国産業が衰退して国民生活に必要な産業やインフラ投資・更新ができない国になることです。
グロバール化した世界で行われていたことは、国際分業システムと言うサプライチェーンを構築し、部品をなるべく安いコストで生産できる国に分担させて、関税のかからない国で完成品を生産させて輸出することで低価格を武器に勢力拡大を図りました。この手法て昔の植民地政策と同様ではありませんか。また、法整備が進んでいないことを利用して、本来、先進国では公害と言われている汚染物質を未処理で廃棄することを平気で行っていたのがクロバール企業です。
トランプ大統領は、このようなクロバール企業が行っていた発展途上国の弱みにつけ込んだ経済政策はやめて自国で消費するものは自国で生産しましょうと言っているだけです。
まとめ:トランプ大統領の関税政策が日本の消費税廃止に繋がる
アメリカ主要メディアは、関税によって輸入品価格が上昇してインフレが加速すると報道していますが、ここまで明確に政策転換が行われたことでアメリカ企業もバカではありません。関税は輸入業者が負担する税なので、これからはアメリカ企業は急速に国内生産に切り替えます。また、外国企業もアメリカへの直接投資によってアメリカでの生産に切り替えるでしょう。
これから、アメリカの関税政策によって標的となる日本の消費税は貿易障壁として大問題になります。
日本の輸出企業も消費税による還付金を含めて関税対象になるなら、輸出を諦めてアメリカでの生産に切り替えるわけです。そうなると日本の輸出企業も日本国内企業と同様に消費税負担は企業経営を圧迫することになります。経団連企業が消費税に対して賛成していた理由は、たんに輸出還付金によって自分の利益になっていた背景があったからです。
今、日本国内で話題となっている財務省解体デモは、正しい知識を得た若者が「日本の失われた30年」という結果を導いた財務省に対しての真っ当な批判です。
「日本の失われた30年」のいち要因である消費税がトランプ大統領によって批判されることで、その正体が顕になり最終的に日本の消費税が廃止される未来が見えてきたかもしれません。
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