2024年11月29日更新
世間を騒がした兵庫県知事選挙が、当初の予想に反して元斎藤知事が当選しました。
この選挙は立花氏による齋藤氏応援のための立候補、異常なほどに盛り上がった斎藤擁護の応援動画とSNSのフォロワー数増加等、通常の選挙では考えられないことが起きていたのです。
それでは、今回選挙の裏で行なわれていた工作活動とネット戦略について検証してみましょう。
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日本の政界に起きていた異変
現在、世界の政治潮流は大きな変化を迎えています。
特に西ヨーロッパ諸国では移民問題を中心に市民の不満が広がり極右政党が支持拡大しているとマスコミは報道しています。しかし、その実態は反グローバルリズムを訴え市民生活を優先する市民政党である場合がほとんどです。
日本においても参政党という反グローバルリズムを訴える市民政党が2020年参議院選挙において一議席を確保するなど世界的な政治潮流に準じた傾向が見えてきました。
ところが日本政界においては、また別な動きが見られます。その動きは東京都知事選挙で見られた石丸現象、兵庫県知事選挙で世間を騒がした斎藤元彦候補の当選です。ネット上で言われているネットがマスコミに勝ったなどと言う簡単な話ではありません。この動きは闇側の反撃で戦略的に行なわれ誘導されています。
それでは最近の例として斎藤知事の問題とその後に行なわれた兵庫知事選挙を中心に検証してみましょう。
斎藤知事の問題とは
斎藤知事の問題とは、県幹部の元西播磨県民局長が2024年3月、斎藤元彦知事や側近らを告発する文書を作って、県議や報道機関に配ったことが発端です。知事が職員にパワハラ、知事が企業から贈答品を受け取った、昨秋のプロ野球優勝パレードの寄付金集めで金融機関に補助金をキックバックさせた、側近らが知事選挙で事前運動した等の七つの疑惑を告発しました。
この告発文に対して、自分で文書を手に入れて側近らに調査を指示し元県民局長を告発者と特定し告発文書を「うそ八百」と否定しました。
4月に元県民局長は公益通報窓口に内部告発しましたが、県による調査の結果「文書の核心部分が事実ではない」などとして5月に停職3カ月の懲戒処分を発令します。しかし告発者が誰かを突き止めて調べた県幹部も、この問題に関与している可能性が疑われたため、兵庫県議会は、県の内部調査では不十分と判断し6月に事実関係を調べるため、地方自治法に基づき強い調査権限のある調査特別委員会(百条委員会)を51年ぶりに設置し、関係者の出頭や証言を求めました。
百条委員会は、7月末に辞職した片山安孝前副知事をはじめ、県職員らを証人尋問。告発した男性職員にも証言を求めていましたが、「一死を以て抗議する」と言い残した遺書を残して告発者は7月に自殺しました。
以上の経過から始まった斎藤元彦の問題は、百条委員会の動画は視聴すれば、実際の知事や側近の発言も職員アンケートの結果も兵庫県のHPで公開されていますので、事実確認は誰もが行えます。そこに秘密等はありません。
百条委員会で検証された事項の中で、一番の問題は公益通報違反です。公益通報者保護法では報道機関への告発は「外部通報」として保護されるもので、招集された専門家は「違法な調査」と指摘しています。告発された側が第三者も挟まないで調査し処罰することは公益通報者保護法の趣旨から外れた行為です。
そして百条委員会の結果を待たずして県議会は、自民党や維新の会など5つの会派すべてと無所属議員、あわせて86人の議員全員が知事に対し、ただちに辞職するよう求めてました。
しかし、斎藤知事が19日に始まった県議会に先だって辞職しなかったことから県議会のすべての会派と無所属議員は、「県政に深刻な停滞と混乱をもたらした政治的責任は免れない」として知事の不信任決議案を提出、そして本会議で採決が行われ、全会一致で可決されたのです。
不信任決議案の可決を受けて、斎藤知事は辞職を決断して出直し選挙を選択します。
ここで不思議なのが、通常であれば百条委員会で明確になった真実とマスコミ報道による批判で斎藤知事の政治生命は地に落ちて弁明して回復させることは無理です。だから政治家であれば自分の政治生命を絶たないために一度は辞任して、時間を置いてから政治家としてやり直すのが普通なのですが、何故か再選挙を選択したのか、それほどまでに選挙戦に自信を持っていたのかが不思議に思えてなりませんでした。
また、全会派が賛成したはずなのに 自民党衆議院の西村康稔陣営と一部の維新議員も加わり斎藤元彦候補を支援したことです。そして元N国党党首の立花孝志氏が斎藤元彦候補支援のための立候補と訳の解らない状況となります。
不可解な立花氏の行動
まず最初に検証しなくてはならないのは、立花氏の立候補です。何故に齋藤氏との関係ないと思われる立花氏が齋藤氏応援のために兵庫知事選挙に立候補したのかの疑問です。
たとえば、齋藤氏の受けた疑惑がマスコミ及び議員の陰謀であって齋藤氏は嵌められ被害者であったとしても、それが理由で立花氏が立候補してまで齋藤氏を応援する理由にはならないと思いますし、ユウチュウバーである立花氏は、立候補前に齋藤氏の問題に対しての動画は一切上げていません。
また選挙中に多数、動画投稿を上げた有名ユウチュウバーも10月以前には関連の動画は上がっていません。それほどに地方で起きた関心のない不信任決議案後の知事選挙だったのです。
それでは、今回の兵庫知事選挙で一躍有名になった立花氏はどのような人物か説明します。
立花氏は2005年4月週刊文春で内部告発後に2005年7月31日NHKを依願退職後に政治活動を始め同年7月党名を『NHKから国民を守る党』に変更し2015年4月千葉県船橋市議会議員選挙初当選、2017年11月東京都葛飾区議会議員選挙当選。2019年7月第25回参議院議員通常選挙比例区当選。同時に同党は政党要件を満たしたため、国政政党の党首となります。
その後の彼の行動は、公人としての自覚はなくふざけた行動を繰り返します。
同年10月10日、2025年まで任期があるにもかかわらず、参議院埼玉県選挙区の補欠選挙に出馬、参議院議員を自動失職し、その後も地方選挙等に立候補し落選を繰り返します。
同党は2023年3月8日に、ガーシー(東谷義和)参院議員が国会へ登院しなかったことを受けて立
花氏が党首を辞任。新党首として大津綾香氏が就任し「政治家女子48党」へ名称を変更します。 しかし、立花氏と大津氏の対立が表面化、立花氏は同年4月にSNSで「債権者保護の為に裁判する」と宣言し、同11月に「みんなでつくる党」への党名変更後、2024年1月に債権者が東京地裁に同党への破産を申し立て、14日に東京地裁から破産手続きの開始決定を受けます。
「みんなでつくる党」の負債総額は債権者約300名に対し11億円で新党首大津綾香への移行は債務問題を新党首大津綾香へ擦り付ける試みで、現在も裁判で争われています。
立花氏の経歴や行為を見てみると、とても正義感が強く信頼できる人間ではありません。逆に今までの詐欺的な行為から目立ちだかりりやの承認欲求が強い自分勝手な人間に見えます。
その立花氏が縁もゆかりも無い知事選挙に立候補しました。元国政政党であるN国党の党首が地方選挙である知事選挙に立候補した理由はとても可怪しいものではないかと推測できます。
そして選挙戦に入り立花氏の取った滅茶苦茶な行動により齋藤氏にとって圧倒的に不利であった兵庫県知事選挙は齋藤氏優勢に傾きます。状況が大きく変わった理由は立花のばらまいた盛大なデマです。
この多くのデマをなぜか大勢が鵜呑みしまくって嘘情報を元にした1台ムーブメントが作り出されてしまいました。1つ目が不倫と内部通報、2つ目が奥谷には黒幕説、3つ目局長がなくなった理由は不倫を暴露されることを恐れたからの主張でした。
今回の知事選挙で起きた不可解なSNSの動き
選挙結果は誰もが予想しない展開を持って斎藤候補が再当選します。しかし、選挙中に起きたネット上での斎藤擁護の動きは不自然な動きでネット上の情報から考察すると、次のような仮説が成り立つと思われます。
本来、兵庫議会の全会派から不信任決議案全会一致で可決されたわけで、選挙戦においては斎藤側を支援する主となる組織はないことになります。報道でも共産党を除く全ての政党が、今回の選挙は自主投票になっています。
ところが、裏では自民党の西村衆議院議員と経済界では西村氏の支援団体である明石倫理法人会の朝比奈会長を中心に動いていたと言われています。また、立花氏は朝比奈会長からお金を借りていたとの情報もあり、本当であれば立花氏が兵庫知事選挙に参入したことも説明がつきます。
西村氏は裏金議員として衆議院選挙で苦戦したと共に兵庫県内での政治力を失墜しました。復活するために今回の知事選を利用してのでしょう。また、立憲民主党が推薦する稲田氏が当選すれば利権も失われ恐れがあったからです。
彼らの取った戦略は巧妙なものです。当然ですよね、彼らは選挙のプロだからで多くの兵庫県民が騙されたのだと思います。戦略は次のとおりです。
①まず齋藤氏は駅前でのひとり立ちをして、県政を混乱させて責任があると謝罪に徹する。この戦略は一人ぼっちの可哀想な元知事との演出で、疑惑を受けた議員が最初にやる演出です。
②近畿地方テレビに出演して同様に県政を混乱させて責任があると謝罪に徹する。どの候補者よりも齋藤氏はテレビに出ています。これは地方テレビ局も選挙戦略に協力していたと思われます。
③急に立花氏が知事選に参入し、齋藤氏は利権政治を改革しようとしたために嵌められた被害者であるとの見解をネット上で展開します。
④知事時代にはたいしてフォロワーもいなかったXのアカウントに突如現れた10万単位の人達、それと軌を一にするように斎藤擁護の記事がSNS上に一斉に溢れ始めます。特に有名ユウチュウバーが参戦したことで世論が変わり始めます。
これらの動きは、自民党のIT部隊や藤川氏が作り上げたSNS・ネット選挙に従った戦略で、有名ユウチュウバーへ齋藤擁護動画の作成案件として発注されたのでしょう。だから、批判的であったはずのホリエモンとひろゆきと高橋洋一等が斎藤擁護に変わり、本来は取り上げない話題に有名ユウチュウバーが参入したのではないでしょうか。
またSNSでの投稿は、クラウドワークス等のネット世論操作を請負う会社へ発注したとすれば突如現れた10万単位のフォロワーも説明がつきます。
つまり、今回の兵庫知事選挙はネットがマスコミに勝ったいう論調は間違いで、真実はプロ集団であるネット世論操作業者と斎藤援護動画の委託を受けた有名インフルエンサーの力に負けたと言うのが真実です。
⑤選挙自体はプロ集団である西村氏の関係者が仕切り、動員は倫理法人会が受け持ち立会演説会を盛り上げる。
⑥ネット世論操作の効果が出始め 「マスコミがこぞって批判するのは怪しい →斎藤氏は本当は正しかったのではないか」 「反対派には左翼が多い→以下同文」 「職員や県議に嫌われたのは改革をした証拠→以下同文」 あろうことか、死人に口なしとばかりに故人に関する中傷が出回り、世論は完全に逆転します。
⑦斉藤元彦氏の問題から派生した三宮センター街のしばき隊と通行者の暴力事件、県外のインフルエンサーの介入。捻じ曲げられて拡散される事実。 これはもはや平穏な選挙ではなくなり、今まで関心のなかった層も関心を持ち始め気軽にスマフォで検索すると検索上位は齋藤氏擁護の動画やコメントが多数を占めるわけで、より齋藤氏支持を強める結果となります。
以上が今回の異常な選挙における裏工作の動きです。
兵庫県における政治権力の復権を最優先にして齋藤氏を支援した西村衆議院議員の動きに対して、自民党内でも不謹慎な行為として認識され対抗する動きも出ていました。
自民党の正統派は怒っている
その動きとは、自民党で良識派と言われる衆議院議員の渡海紀三朗氏の2024年11月12日に投稿された「知事の資質」です。
9月の自民党総裁選挙、10月の衆議院総選挙と、大きな選挙が続きましたが、私にとっては政治生活の集大成とも言える覚悟で臨んだ総選挙で、皆さんと力を合わせて全力で戦い抜き、無事に議席を獲得することができました。改めて心から感謝申し上げます。
しかし、選挙イヤーはまだ終わっていません。全国的にも注目を集めている、斎藤元彦前知事の不信任決議を受けた兵庫県知事選挙が、17日に投票日を迎えます。これは「知事の資質」を問う重要な選挙となります。
実は、3年前の知事選挙の際に、自民党国会議員が中心となり斎藤候補を推薦したことが、長期にわたる県政混乱の発端とも言える。このことから、今回の県知事選挙への関与は控えるつもりだった。それに、全国からあれだけの非難を浴びた前知事が、その責任も取らず知事選に出馬するとは考えてもいなかったし、出馬することに「県民冷ややか」などと報道されていた。
しかし、告示から10日。稲村候補と斎藤候補が接戦を演じているとの情報を聞くと、静観している訳にはいかない。
この3年間の斎藤県政と国政との関係は、私の目から見て健全とは思えなかった。例えば、今年から始まった兵庫県立大学の無償化。大学教育の無償化を否定するものではないが、今、国政の場で全ての大学を対象とした学費負担軽減策を進めているさなかに、我々に何の説明もなく県立大学のみの無償化を打ち出し、他の大学は国の責任で実施せよと言う。2年前の県立高校の統合方針についても、我々が知ったのは記者発表後だ。国会議員への県予算説明会でも、斎藤前知事が自らの言葉で語る場面は少なく、前知事自らが足を運ぶ個別要望もほとんどない。このため、我々国会議員との意思疎通が十分に図れない状況にあった。(聞くところによると、県議会議員とも、県幹部職員とも十分な協議は行われていないとのこと…。)国政に対する形式的な予算要望などは行われたとしても、その中身が県政の一方的な説明というスタイルでは、連携し協力しようとしても、策の施しようがない。
今回の知事選立候補者の公約を見比べると、今の県政立て直しに必要なコミュニケーションとガバナンスに最も力点を置いているのが稲村候補である。前尼崎市長として、大組織の運営経験も、対話をベースに行財政改革を成し遂げた実績もある。そして兵庫県の特徴である五国の多様性を生かそうという姿勢、都市と多自然地域の連携を進める志が強く感じられる。
私が初当選以来唱えている「ふるさと東播磨の発展」のためには、兵庫県政との連携は重要かつ不可欠である。傷ついた兵庫県のブランドを立て直すため、兵庫県庁の健全なガバナンスを確立するため、そして疲弊した兵庫県職員の活力を取り戻すため、全力で取り組んでいきたい。
自民党で良識派と言わ兵庫県内で信頼の厚い渡海紀三朗氏が立憲民主党の知事候補である稲村氏を支援する動きは異常です。それだけ斎藤前知事の仕事にも問題があったことも指摘しています。
なお、県内市長会が行った異例の稲村氏支持を表明も同様な行動ではなかったかと思われます。
まとめ:日本政界の闇が見えてきた
西村氏を中心とする兵庫県自民党勢力と一部維新議員による兵庫県における利権政治の維持と拡大を目的とした今回の兵庫県知事選挙は、自民党のIT部隊や藤川氏が作り上げたSNS・ネット選挙戦略により西村氏を中心とする兵庫県自民党勢力と一部維新議員の大勝利に終わったいえます。
ところが、完璧であったはずの今回の選挙も綻びが見えてきました。
それは、斎藤陣営に加わり陣営側のSNS運営を中心的に運営していた株式会社メルチュの折田楓社長によるNOTOへの投稿で一部のSNS・ネット選挙戦略のバラしてしまったからです。彼女の行為は公職選挙法違反に関するもので買収・利益相反までも疑われる行為なので警察捜査を受ければ連座制により知事も失職する恐れがあります。
巧妙な戦術で行なわれたと思われた今回の選挙は、結局のところ政界の闇を炙り出す結果となってしまいました。
どの候補者よりも多い齋藤氏のテレビ出演、立花氏が齋藤擁護のための知事選参入、Xのアカウントに突如現れた10万単位の人達、有名ユウチュウバーによる斎藤擁護の動画・記事が一斉に拡大、以上の不可解な出来事によりネット上では検証動画・記事により解明されている状況です。
そこで解ってきたことは、今まで安倍晋三元首相の考え方や彼が推し進めた安保法制などの政策を熱烈に支持していた「岩盤保守層」と「保守的な無党派層」が自民党を見放したために、それと補うための工作活動が行なわれていたとのことです。
その工作活動とは、「維新の会は自民党の憲法改正を推進するために作られた第二自民党」、「日本保守党は自民党から離れた「岩盤保守層」を取り込むための政党」、「都知事選でみられた石丸現象は「保守的な無党派層」を動かすための予備演習」、そして今回の兵庫知事選挙は裏金問題で兵庫県内での政治力を失墜した西村氏の復権を図るために利用されたのではないでしょうか。
今回、立花氏や有名ユウチュウバー動画で真実を知ったと思い斎藤擁護へ傾いた人達は、何を信じるかは個人の自由ですが、マスコミもネットも嘘情報が多数流れています。そして裏で日本政治を仕切っている権力者は資金力とマスコミ及びネット世論操作を行えるだけの権力を持った人達なのです。
同様な手口で、有名ユウチュウバーが又は〇〇先生が言っているので間違いないと思い込み思考停止するのではなく、その情報を選別して自分の頭で考える行為が必要なのです。
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