地域活性化とは①

地域活性化

2023年10月30日更新

地域の衰退に伴い地域活性化が注目されています。

マスコミはごく少数の成功例を報道していますが、地域の実態を示すものは少なく、ただ美談として取り上げ話題性を追っている行動にしか見えないのは私しだけでしょうか。

過疎地域で生活した経験から私の思う地域活性化を検証してみます。

あくまでも、これは私の思う地域活性化なので参考程度にお聞き下さい。

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地域活性化とは

現在、地域が抱える最大の問題は過疎化にあります。

現状のまま推移すると今まで以上に地域が疲弊することが予想されるからです。過疎化が怖いのは人口減少により経済単位が小さくなり地域だけでは経済が回らなくなり他に依存しないと地域生活が成り立たなくなるからです。

地域活性化と言われ何年になるでしょう。具体的に成功したという例は少ないのが現状で、数例がマスコミに取り上げらていますが、全て外需の獲得を目指したもので経済的には成功していても地域全体が活性化したかと言うと疑問を持たなくてはならないものです。

何故か、それは地域活性化の定義が曖昧だからなのではないでしょうか。

地域活性化とは簡単に定義すると地域内の資金が地域中心に回り、地域の特性に合った産業が生まれ、そして雇用が生まれ地域全員が潤い、それが循環することにより地域に活力が生まれることです。

通常言われる外需獲得を主な目的とする地域イベント・特産品販売とは違います。

たとえば、その地域の主産業が酪農の場合には酪農に関係する全産業がそこにあり、それで得る資金・産業・雇用が地域中心に循環すればその地域は地域活性化していると言えるのではないでしょうか。

地域活性化の条件とは・・・

ここで一番重要なことは地域が自給できる体制を構築することを前提に未来イメージを地域住民が共有することです。

次に地域活性化を実現するための条件を具体化してみます。

①地域内でお金を回す。
外部の資金に頼ると利益は全て外部に流失し、地域には回りません。地域内でお金を回す仕組みが必要です。

 地域資金×回転数(地域活性化の定義)

②地域の特殊性に合った産業を育成する。
酒造メーカーが特定地域に限定されるのは水が良い場所と言う要因があるように、地域活性化とはその地域の風土・気候又は文化に合った産業を中心に強みを最大限に活かし付加価値を高めることです。

たとえば、その地域は寒冷地及び泥炭地であるため酪農が発展したとします。酪農をするために必要な環境が整い酪農に関しては自己完結でき品質的にも高品質が可能な最適地ですが、生産以外は外部依存しているためメリットが充分に活かせていない現実があります。

解決策は素材製品だけを売るのではなく、地元で最終商品まで生産することなのです。

また地域の特殊性とは、内部の人間が認識していないことが多く外部者からの意見を素直に聞いて検討する姿勢が必要です。

たとえば、寒冷地であるから路地野菜の栽培は不利でも、無暖房で年間を通したハウス栽培が可能な技術があるなら寒冷地で害虫発生も少なく有機栽培に適していることになります。

また、地域住民の経験知としてこの地域は腐敗菌は少ないとの認識があるなら発酵性産業等たとえば生ハム製造には適しているとも言えます。

地域のおかれた環境・地域性を最大限に活かすこと、そして発想を広げることが地域活性化につながります。

③自分達で雇用を作る。
地域活性化の一貫として企業誘致が叫ばれましたが、企業の都合に振り回される事例が多いのが現状です。

地域で雇用を構築するには安定した需要が必要で外部依存の需要比率が高ければ高いほど経営基盤が不安定となります。

また、需要に関わる全体を雇用対象としなければ雇用の裾野は広がらず不安定となります。たとえば、地域資源の有効利用としてチップストーブ用のペレット化を事業化したとします。その際には「原料調達→チップ加工→チップストーブ又はボイラーの製造・販売・使用→供給体制等」が雇用対象となり需要が高まれば高まるほどまた雇用が増えます。

つまり自家生産、自家消費から始まり、その規模を拡大することが一番の解決策となります。

④自給率を上げる努力を行う。
「③の自分達で雇用を作る」にあるとおり自給が雇用を生む大前提となります。

今の生活レベルを維持したままに自給を前提にするには無理があると思われますが、そこで知恵を働かせ地域特性を理解し地域全体で取組めば可能になります。

⑤下から上えの社会
現在の社会はほとんど全てがピラミット構造になっています。

そのため問題解決は上が何とかしてくれなければ解決しないと思い込まされているのではないでしょうか。

たとえばエネルギーは大手商社が海外から多量に買い付け末端に配るシステムになっているため電気事業では供給先は高圧で送電し末端でトランスから100Vで各家庭に供給されるシステムになっています。

このシステムでは末端が作り出した電気は末端でしか利用出来ないため効率は悪いもので、資源高騰等の供給先の都合での価格変動、供給制限を受けるため下から改善策を提案したとしても上の利害関係が優先される状況になります。

そこで諦めてしまうから発想が拡大しないのであって諦めずに解決策を考えなくてはなりません。

現在はIT社会で個人の発想一つで世の中を変えられる時代なのです。

例に上げた電気事業では個人が発電した電気は電力会社に買上げてもらわなくてはならず、その負担を各個人が電気料として負担している矛盾した制度になっています。これを解決するには蓄電すれば解決出来ます。実際にその試みをしている人達がおり参考になります。

そうすれば電気が自給でき上を見なくても地域で解決出来る体制が構築できます。

これは食料・教育・福祉問題全てに言えることです。

⑥未来イメージを想像する。
自給の比率が上がれば他に依存することは少なくなりイメージが広がります。

なんせ今までの制約がなくなるから発想が自由になりイメージが広がります。

そうすると今までは弱みと思われていたことが強みになったりします。

⑦自分達で考える。
間違ってもコンサルタント会社に頼むことは間違いの元になります。

何故かと言うと立派な企画書は出来上がりますが、地域特性とはかけ離れたことが多いからで、地域特性を一番知っているのは地域住民であり、自分達で考えなくては結論はでませんし考える苦しみが必要となります。

その際には否定はダメでどのような意見でも肯定的に考えなくてはなりません。

まとめ: 地域活性化とは内需拡大です

以上の事項に従い地域活性化を進めることにより内需を中心とした地域活性化が実現出来るのではないでしょうか。

ただし、この時点では経済的に活性化しただけで文化的には活性化していないので、また新たな取組みが必要となります。

現在はお金に価値観を持たない若者が増えており、彼らは都会での生活には必ずお金がかかるため住みにくく自然に順応した生活を望んでいます。

活性化した地域で自給生活が可能で生活コストはかからず、その上に教育・福祉も充実していればそのような若者が集まり定着してくれる可能が増すと思われます。

そうすれば地域に人が集まり、人が集まれば地域文化も生まれより魅力的な町が生まれるのではないでしょうか。

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