2025年12月25日更新
今まで中国については、なるべく取り上げないようにしていました。
その理由は、あまりにも不明瞭な情報が多く明確に断言できなかったからです。だから今回の情報は、私の憶測も含めてた不正確な情報として捉えて下さい。
それでは、話題になっている中国経済の大不況について検証してみましょう。
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中国経済の最大の問題は不動産市場の不況です
中国経済で最大の問題っていうのは、不動産市場です。不動産市場が崩壊して住宅価格が低下し不動産の投資が減っています。
中国で発表されたGDP統計での不動産関係投資は、前年同期比マイナス10.1%という強烈なマイナスで不動産関連の取引はGDPの30%位なので、それがマイナス10.1%ってのはすごく下がっていると言うことです。
それを、どうやって正常化するかっていうのが最大の問題なんです。
不動産市場が中国経済の最大の問題であるとの認識して、不動産市場を正常化するためには、根本的な問題である不良債権を解消しない限り、不動産市場の不況は解消できません。
なのに不良債権処理をやらずに誤魔化している。そこにはどのような理由があるのでしょうか。
不良再建問題を解決するためには、地方政府に対しの支援政策とか、融資した金融機関への公的資金注入とか、そういう政策が今までに出てくるはずなのに出てきません。
もしかすると私達が思う以上に中国が抱える国家債務は、膨大に渡る金額で、中央政府が処理できないくらいの金額に膨れ上がっている。下手に処理しようとすると中国経済自体を崩壊させる。だから安易に経済政策が打てないのが現実ではないでしょうか。
中国という国家は中央政府だけではありません。地方政府の影の融資機関である地方融資平台、無数の国有企業、不動産開発業者を救うために立ち上げられた政策性ファンド、理財商品信託といったシャドウバンキング、その全てが絡み合い国家全体で粉飾決算を繰り返しているのが実態です。だから誰も本当の中国の財政状況を把握できていないのが現状なのかもしれません。
不動産事業が成長エンジンだった中国経済
中国政府も不動産価格の寝崩れを防ぐために 、様々な手立てが取られてきました。
国有企業や国有銀行などは、それを競売に出すと寝崩れしてしまうので持ち続けてきたわけです。すでに資金ショートをし現金が足らなくなり始め、その結果として最近は競売に出し始めているという報道があります。
中国の不動産バブルが何故に拡大し続けたと言えば、地方融資平台がエンジンとなって、人が住まないような物件をガンガン建てていった。それによって雇用を守り、特に若年層の都市住民の約5人に2人、そしてGDPの30%、そして家計資産の70%を不動産、土地不動産関連が占めるという中国において、全ての成長エンジンだったわけです。
つまり金融モデルとしても破綻するとのは必然だったということです。
この成長エンジンが止まったことによって、全てが停止しました。中国政府としては粉飾でも何でもいいから外格だけを保っています。しかし現金がなくなって払えなくなり、実際にはデフォルトという形で表面化し始めています。
この問題が単なる金融問題で済めばいのですが、今地方銀行の破綻や精算等を中国政府としては公式には報じておりません。大手である中国国際金融の報告書などでは、銀行免許の取消件数が増えてきています。2024年で約200件、2025年は1月から11月だけで少なくとも 350件に達しています。
つまり地方銀行などの銀行が年間200件、去年で200件、今年はこのペースでいくと400件から500件潰れてしまうという状況にあるのです。
当然、中国政府も救済策としては合併などを中心としたものになっていますが、合併をさせた結果、元々の健全だった地方銀行までが不健全化している状態になって、不動産の下落局面が止まらない限り改善される見込みはありません。銀行の倒産によって預金者やファンド等の資金もどんどん消えていってる状態にあるのです。
このような状況の中で、新規の大規模開発は不可能になっています。また今現在、引き出し制限というのをかなり厳しくしている状態です。2025年6月1日から200万円以上の現金を引き出す場合、3日前までに通告し、そして用途を明示する必要が出てきました。
しかし用途を明示したからと言って、確実に引き出されるわけではなく、銀行によってはいろんな理由をつけて預金の引き出しを禁じています。
中国の内需も外需も期待できない
このような状況で、どうやって消費が伸びるんでしょうかということなんです。
実際、現在消費の落ち込みによる内需が大変なことになっています。そのような状況の中で、地方融資平台そのものの破綻が一部で報じられています。地方融資平台は何本のものを債権を発行してるわけで、その融資平台そのものが破綻してしまうと発行した債権全体が全滅してしまいます。
その金額は、数百億元規模又は兆円単位の債権がデフォルトしたと見られています。地方融資平台の破綻がこのように始まっていけば、国有銀行にも波及していく中で、その火の粉は周辺に広がっていきます。
次に外需ですが、もうすでにアメリカとは関税問題、またメキシコにおいても中国に対して50%の関税が決定、世界中で中国への包囲網が進んでいます。
ヨーロッパに関してもEV問題等で、中国に対して関税をかける動きが進んでいます。中国は中央政府からの補助金によって不当な競争をしているというのが、世界の共通認識となっているからで、日本に関しても反ダンピング課税との認定が行われる予定になっています。
世界中がこのように、中国に対して輸出のハードルを上げるのに対して、どうやって輸出を伸ばしていくのでしょうか。
またここにきて、日本と中国の関係悪化によって、確実にさらにひどいことになるでしょう。中国とのビジネスを考え直していたような企業の中では、いわゆる今まで通り中国と付き合うのではなくて、完全にどうやって引き上げたらいいのか、引き上げスキームに入った企業が増えています。
中国の場合は、国内から海外に資金の持ち出しができないので、日本企業としては中国内の資金をどう回収するかが大きな問題です。このために撤退できない状況にありましたが、損失覚悟で撤退を考える会社が多く出始めたというのが今の状況です。
また中国は日本に対して観光客を止めるし、海産物の輸入も止めるなどと言っていますが、逆効果となっています。
ホタテの輸出先は、一時は中国はホタテのシェアが高かったのが、今はゼロです。現在はタイへの輸出で約50%という割合でほとんど中国に止められても影響がない状態になっています。また国内需業の増加、国内加工の増加によって、日本のホタテ業者に関しては逆に収益性が上がり、喜んでいるという状況にあります。
観光客に関しては、一部メディア等は中国のインバウンド専門メーカーなどを出してきて、これだけお客さんが減りましたと報道していますが、多くの日本の観光業者には影響がありません。
何故ならば中国は一条流と呼ばれる中国人が経営するホテル、旅館、バス会社、そして免税店などで中国観光客を回して、必ず中国内に資金が完流する仕組みを作っていました。このために全く影響がないというのが今の状況と言えるでしょう。
このような状況の中で、中国企業は伸びるということはまず考えられません。今まで以上に大不況が庶民を苦しめ結果となるでしょう。
中国の若年層失業が制御不能になっています
それでは中国経済の大不況が雇用に与えている影響は、どうでしょうか。
2024年7月以降、中国の若年層失業率は17%を超えたままです。公式発表では2025年11月が16.9%とされ前月17.3%からやや改善しています。しかし2023年6月に失業率が記録的な21%まで連続上昇した後、中国は報告を停止し、学生を除外するよう統計の集計方法を改定しました。だから中国が発表する若年層失業率には信頼性はありません。
また大学卒業後の実態を北京大学の先生が調べたところ、どうも50%近く就職がないと予測されたとの話もあります。
中国では毎年約1200万人の学生が卒業し、労働力市場に参入します。しかし仕事はありません。企業は最近の卒業生を雇うのを拒否しています。この大不況では雇用リスクが高すぎるからです。
就職できないと、どうするかと言うと富裕層は一人っ子政策で甘やかされて育ってますから、職がないならフーズの配達とか公園の掃除とかできないんです。
だから大学院に行くんですが、今年の大学院の希望者は470万人で大学院の定員が今300万人あるかないかなんです。そうすると残りはどうするかったら海外行きます。
決論としては、中国の若年層失業率は粉飾されていて信用できない。毎年約1200万人の卒業した学生の内、470万人が大学院又は追加で海外留学へ、残りの700万人程度の学生の半数は就職できていない可能性があるのです。
また一般就労者に関しても中央政府が知られたくない事実がとして、地方部では失業率が40%に達し、パートタイムや不完全雇用を含めると最大50%に上るとの情報もあります。
今までの情報が本当であるならば、中国共産党の正当性を担保していた経済成長が失われたことで正当性は崩れます。
まとめ:中国共産党では解決できない
中国政府は今だに不動産市場で生じた不良債権を解決しょうとしていません。
まるで不良債権処理をやらずに誤魔化しています。最後はデフォルトという形を取らず見えない負担を国民に分散させ国民を犠牲にするつもりなのかもしれません。
ひとつ考えられるのは、AIとデジタル人民元による徹底管理で国家が国民の資産を完全に把握し、必要に応じて国民から奪い、債務の付け替えと再分配をリアルタイムで実行する。完璧な自転車操業を目指しているのかもしれません。
ただし、それは崩壊でも繁栄でもなく管理された恐怖という選択肢です。
そうなると中国民衆も黙っていないでしょう。経済成長があったから中国共産党の正当性が担保されていた。それが無くなれば中国共産党の正当性は無くなり中国国民の敵と認識され中国共産党の崩壊へと向かうしかありません。
つまり中国共産党政権が崩壊し、次の政権が誕生しないと解決しないのではないでしょうか。


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