絶食療法を検証する②

健康

2024年1月21日更新

前回は絶食療法が始まった経過を検証してみました。

そこで絶食療法には、前提となる理論や長年に渡る臨床データがあり規模は小さいながら研究されてきた経過があることを説明しました。

今回は西側諸国において絶食療法として定着したファスティグについて検証してみましょう。

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ファスティングとは

旧ソ連で行われた絶食療法は、ヨーロッパ諸国の特にドイツで普及し西洋医学の中では「ファスティグ」と言われる代外療法として生き残りました。

ファスティングとは、一定の期間食べ物を断つ行為で、多くは固形の食べ物を半日~数日間摂取しないことを指し、実施期間は半日~2週間までさまざまです。

胃腸をはじめとした内臓や消化器官が消化・吸収活動をせず休まることで、老廃物や毒素を排泄する働きが強化され、それによりデトックス効果や腸内環境を整える効果を期待できるのです。

また、腸内環境が整うことで、免疫力の向上や肌荒れの改善効果なども期待されます。

ファスティングとして行われる療法は、16時間絶食を前提とした「一日2食及び1食:16時間絶食」、「1週間絶食」で本人の事情や希望で選択し日常生活の中で実践できます。

ただし1週間程度の絶食を伴うファスティングの場合に、通常は医療機関が関わり医師や専門家の指示に従い安全のために入院し医師監修のもとで行われ場合が多いです。

ファスティングで健康になる原理とは

私たちの体は食べ物から糖質や脂質といった体を動かすためのエネルギーを確保しています。

このエネルギーは血液中にグリコーゲンとして保存されいて余分となったエネルギーは、筋肉や臓器、細胞に貯蔵されます。ただし、エネルギーの貯蔵量に限りがあるため、取り込みきれなかったエネルギーは中性脂肪に代わりお腹周りやお尻などに蓄積していくのです。これが肥満ですね。

ところが食べ物を長時間取らずにいると、体は臓器や筋肉に取りこんだエネルギーを消費し始めます。

それでも足りなくなると中性脂肪を分解してエネルギーに変えようとする動きが始まります。

この脂肪燃焼は「ケトン体」と呼ばれる物質が発生することから、「ケトン体代謝」や「メタボリックスイッチ」と呼ばれ、食後の10~12時間後から始まります。

ケトン体代謝が始まると抗酸化作用が働いたり、DNAの修復が行われたりするため美容や老化防止の観点からも注目を集めています。また、お腹や内臓の周りに付く脂肪を減らすことは糖尿病や心疾患、脳血管疾患などの生活習慣病のリスクを減らすことにもつながるのです。

体のケトン代謝が始まり、空腹状態が16時間を超え始めたころから体の中ではオートファジー機能が働き始めます。

オートファジーとはauto(自己)とphagy(食べる)をかけ合わせた言葉で、細胞が飢餓状態を生き残ろうと古くなったり壊れたりしてている細胞を自食し、新しくたんぱく質として生まれ変わる体の仕組みを意味します。

オートファジーは、体が飢餓状態になることでスイッチが入るのですがその目安の時間が16時間なのです。

16時間断食は、体をケトン体代謝にしたりオートファジーを活性化したりするのに適した時間だと言えます。

このような体の働きは1週間絶食を前提にすると、次のとおり示すことができます。

①絶食を始める
    ↓
②血液中のグリコーゲンが4~7時間で消費され、次に筋肉や臓器、細胞に貯蔵されたエネルギーが消費される。この消費では血管中の悪玉コレステロールや中性脂肪等もエネルギーとして消費されます。
    ↓
③内蔵、お腹周りやお尻などに貯蔵している中性脂肪の分解が始まりケトン体して利用されます。
    ↓
④オートファジー機能が働き始め、古くなったり壊れたりしてている細胞を自食し新しい細胞として生まれ変わります。
    ↓
⑤体の自然治癒力と自己修復能力が最大化して健康になります。

人間の体は元々、自然治癒力を持っています。ところが1日3食食事を取っていると基礎代謝のほとんどが消化に消費されてしまい体の修復能力に使えない状態を作り出すのです。

そのために消化で消費する代謝を制限することにより自己修復能力が働きだし機能低下していた内蔵や細胞の働きを正常に戻そうとする働きをします。

絶食開始時期に好転反応と言って元々体の悪い所が痛みだしたり、発熱したりすることがあります。これは体が一時的に悪化した状態を進行させないように働き、今以上に悪化しないよう維持していた状態を解除して体が自己修復に向かおうとする際におきる生理現象で自己修復するスイッチが入った状態とも言えます。

だから心配しなくて良いそうです。数日たてば症状は良い方に移行するそうです。

個人でも出来るファスティングの実践方法

それではファスティングの具体的な実施方法について説明させていただきます。

最初は、16時間絶食を前提とした「一日2食及び1食」のファスティングです。

一日のうち食事をしてもよい時間を8時間程度以内に設定し、残りの16時間は食事をとらないという原則に従えばいいだけで、特に規制はありません。

たとえば1日2食を例とすると昼食と夕食は食べて、次の昼食までは必ず16時間を空けます。間に睡眠時間が入り無理がないので、お勧めします。

飲み水で糖やカロリーを摂取してしまうと断食を阻害してしまうため、水やお茶などのノンカロリー飲料を飲むように心がけましょう。

1日2食が無理なく実行できれば、次は1日1食に挑戦しましょう。食費も浮くし1食が美味しく食べれます。

ただし、食事は自炊が原則です。せっかく健康のためにやっているのだからコンビニ弁当や加工食品には頼らない食事を心がけて下さい。

次は1週間絶食です。3日でもいいと言う方もいますが、絶食では3日以後の体の働きに効果があると言われいるので絶食するなら1週間程度の期間は覚悟したほうが効果が大きいと思います。

ファスティングを実施している医療機関では、完全絶食ではなく1日1回、栄養補給目的でスープや栄養ドリンクを摂取している例もあります。原則は消化器系が働くような固形物はダメです。

16時間絶食と同様に、飲み水で糖やカロリーを摂取してしまうと断食を阻害してしまうため、水やお茶などのノンカロリー飲料を飲むように心がけましょう。

なお、完全絶食の場合には排尿時に血液中のカリウムが放出されますので、別に補給しなくてはなりません。水分補給時に若干量の塩を補給しましょう。このときの塩は精製塩ではなく海塩が望ましいです。海塩はミネラルが多く含まれているからです。

絶食終了後には、消化器系が1週間程度動いていなかったために少しずつ胃腸に負担をかけるようにします。

具体的には、最初は液状のおかゆから始まり徐々に普通のおかゆにしていきます。

16時間絶食と同様に、実施後の食生活は重要です。1週間絶食を試みた方は決意があるので心配はしていませんが、自炊しましょう。

まとめ:生活の中にファスティングを取り入れましょう

人間の自然治癒力を高めるファスティングは、16時間絶食なら決意すれば簡単にお金もかからず実践できる健康を維持できる方法です。

仕事の関係で接待等があり16時間絶食は無理という方は、1年に一度、1週間絶食を試してみてはどうでしょうか。

自分の生活内で何らかの形でファスティングを取り入れる努力は、さほど難しいことではありませんので、積極的に取り入れる努力をしてください。

ファスティングが効果を示したかは実証できていませんが、現代医療では治らないとされていた心臓疾患、慢性疾患(糖尿病や腎臓疾患)が治ったとの事例もあるのです。

もしかすると、大きな宝物を得ることができるかもしれません。

最後に、今回のコロナ騒動でワクチンを接種してしまった方は1週間絶食をデドックス目的で実行されたほうがいいと思います。ワクチン後遺症の方も同様です。

私のブログ「新型コロナワクチンのデトックス方法」を参照してください。

(追伸)ここで書いたファスティング方法は、私が知り得た情報なのでファスティングをしてみたいが体力に自信がない方や持病があり自信がない方は、必ずファスティングを実施している専門の病院を受診し指導を受けてください。

個人でファスティングを実施する場合は自己責任となりますので、ご了解願います。

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