食料自給率を上げるには日本版「ダーチャ」が解決する

健康

2023年10月10日更新

食料自給率の低下が政治問題化しています。

政府自らが食料自給率を下げる政策を実行しているので、当然な結果ではないでしょうか。

ここに大きな闇があるのですが、説明は別記事として、新時代となってから農業がどのよな変革を迎えるかを考察してみましょう。

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ソ連崩壊後の食料難を救った「ダーチャ」とは

ロシアで古くから普及している郊外型菜園「ダーチャ」をご存知ですか?

ダーチャの起源は帝政ロシア期にさかのぼると言われ、18世紀から19世紀にかけて当時の貴族が郊外にさかんに別荘を建てたのが発祥とされます。ロシア革命後の旧ソ連時代には政府が労働者の保養施設として小屋付きの菜園を多数整備し貸し出すようになった。これが今日一般的なダーチャの原型だと言われています。

そしてソ連崩壊後の経済危機より食料不足を解決したのが、この「ダーチャ」だったのです。

ロシア政府は、都会の国民に郊外型菜園用の土地を無償で貸し出して「ダーチャ」を推進したのです。

これで都会に住んでる国民は餓死から逃れることが出来たのです。

つまり、経済が著しく疲弊して治安が悪化し、極度のインフレや給料の遅配などで家計が行き詰まる中、市民が食料を自給し、テロと飢えから身を守る最後の砦がダーチャだったのです。

この時期のロシア国内で生産されるじゃがいもの90%、野菜や果物の70%以上をダーチャが占めていたとの統計もあるともいいます。

これは何を示すかお分かりですか。

国は食料自給率と言って農業を職業としている人達が生産した農産物を対象に統計データを取り、農業政策として都道府県単位で各農協を通して補助金をばらまいていますが、国民に対しての支援は一切ありません。

しかし、多くの国民が少量生産であっても農産物の生産に関われば食料自給率を上げる要因となるのです。

食料自給率の改善は国民一人ひとりが生産すれば解決する

お金の支配から開放された世界では、今までの食品メーカーが添加物等を使用し消費者の健康より利益を最優先していた事実が暴露されて一気に信用を失います。

当然に大都会から地方への移住した人達は安全な食料を求めるなら自家生産しかないとの結論になります。

また、移住した人達から小規模であるが有機栽培で安全な農産物を消費者へ届けたいとの思いから新規就農を目指す人達も現れます。

小規模での食料生産が始まれば必然的に食料自給率は上がるし地産地消の比率も上がるのです。

そして、今までの農業経営も変わります。

何故か、それは農業経営の主体でもあった農協の経営破綻が起きるからで、主たる収益源である農林中金が行っている金融と国の業務を補完する機関委任事務による手数料収入等が確保できなくなるからです。

金融については、農林中金の融資内訳を見ると中国関連のABS(資産担保証券)やCLO(ローン債務担保証券)の比率が高く市場では2兆円以上の含み損を抱えているのではないかと言われています。

機関委任事務は国の財政逼迫によりこれからは大幅に減少するでしょう。

以上の状況から、多くの農協は経営危機に至り潰れ統合と合併が繰返され農協自体の組織は機関委任事務を請負う目的から消滅せずに少数は残りますが、もう農業の主体になれません。

もともと農林中金は問題のある組織でした。

日本の土地バブル崩壊時に住専(住宅金融専門会社) 融資による不良債権問題は政治問題化して結局は6850億円の公的資金を注入して処理することになりました。

次にリーマンショック時の証券化商品運用に関わる損益、これは資本増資で逃げ切りますが、各農協への負担は農家を苦しめるものになりました。

本当に農林中金は農家のための金融機関なのでしょうか?

嫌な話になりますが、国際金融資本の道具とすると今までの経過や経済行為の全て説明がつくのです。

これから農協に変わる組織としては、地域や集落の仲間同士から生まれる生産組合に期待しましょう。

本来の目的である自分達が生産した農産物を消費者へ届けることを本業とする組織で主体とする販売は近郊の市町村になり、大手流通とは違う流通形態を模索するのでしょう。

まとめ:食料生産は小規模農家へ自立した若者の仕事になる

現代の食料生産は、生きる為に命をいただくのではなく儲けるためになるべく安く生産し利益を上げることが目的になっています。だから生産過剰になれば平気で廃棄します。お金中心の世界から本来の目的に沿った社会にならなければ解決しませんでした。

志を持った小規模の生産者と自己生産を行う人達の目的は、安全な農産物を確保すること及び消費者へ安全な農産物を届けることです。

また、消費者も賢くなり価格のみに捕われずに地産地消を優先した安全な農産物を選択することで、志を持った生産者が増えていくと同じ思いを持った消費者も増える好循環を期待したいです。

農業は大規模化ではなく多数の小規模農家主体の農業及び日本版「ダーチャ」の普及で食料自給率が上がるのです。

小規模生産が中心なので多量に生産し大都会へ輸送して利益を得るビジネスモデルは無理なので生産地近郊での販売が主となりその役割は生産組合が補います。

そして、自立した若者が中心となった新規就農者が新たな農業の担い手となるのです。

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