EMを利用した複合型農業の経験談を語る⑩

EM技術

2024年2月7日更新

私がEMと関わったのが2001年からで、そこからEMにのめり込み、最後は職場であった障害者福祉施設の新規事業として「福祉的就労の場」を目的とした新規事業所の立ち上げまでに至ります。

その新規事業はEM技術を利用した合鴨・有機野菜事業を組み合わせた複合型農業です。

最後にこの事業以外にレストラン事業も加わります。

今回は、この経過を連載で語らせていただきます。

連載の十回目は使用数は少ないのですが、私達が使用した有機資材ついて説明させていただきます。

▼EMについて知りたい所から読む方はこちら▼

有機認定では使用できる資材が限定される

有機認定では使用できる資材に制限があります。

自然由来の成分から製造された資材であることが前提で、農林水産省が作成している「有機農産物のJAS規格別表等資材の適合性判断基準及び手順書 平成28年4月改訂版に従った資材です。

有機生産の基準がJAS法に定められいている関係上、禁止資材を使用すると出荷停止等の措置がとられるので各有機農家は新しい有機資材を使用するときには慎重になります。

ここで農薬の話をします。有機資材でも自然由来であればいいわけで農薬もあるのです。

他有機農家の話を聞いていると使用している農家は敏感になっています。農薬の中には、栽培期間によってはこの時期だけ使用できない製品もあるからなのです。

当事業所でも有機認定は取得していたので、各農家と同じ立場でしたが、使用する資材は何せ自家生産のEM資材と貝化石位なので、どちらかと言うと鈍感で各農家もEM資材を利用すればいいのに思っていました。

それでも評判のいい有機資材があり試験感覚で使用したこともあります。

EMを利用すれば有機資材はEMだけでよくなる

当事業所で定期的に使用していた有機資材は、次のとおりです。

①EM活性液
自家生産でEM1を拡大活性した液です。主に灌水、EMボカシ・ソリブル・育苗用土等の製造過程で使用します。

②EMボカシ
自家生産で、米ぬかとフスマをEM活性液で発酵をかけた資材です。主に基肥とEM生ゴミ堆肥製造に使用します。

③EM生ゴミ堆肥
自家生産で、事業所から出る生ゴミをEMボカシで発酵をかけた資材です。ハウス・畑の堆肥として使用します。

④EM合鴨堆肥
自家で飼育している合鴨の敷料に使用しているオガクズと糞尿をEM活性液で発酵をかけた堆肥です。
EM育苗用土の製造とハウス・畑の堆肥として使用します。

⑤EMソリブル
昔から利用されていた魚を煮詰めた(フィッシュンリュブル)アミノ酸肥料をEM活性液で発酵させて資材で、ミニトマト
甘みを安定させるために使用します。甘みのある味を安定させたい果菜類に使用します。

⑥EM3号
購入品である光合成菌は用途によっては拡大培養して使用します。EM活性液の働きを促進します。
主にEM活性液製造に使用します。

⑦EM2号
購入品である酵母菌は光合成菌(EM3)との組み合わせで使用し作物の活性化を目的とします。

⑧貝化石
購入品で土中のPHを調整する資材です。育苗用土とハウス・畑のPH調整に使用します。

⑨ピートモス
購入品で育苗用土の製造に使用します。

⑩EM育苗用土
自家生産で育苗で使用します。

試験的に使用した資材は、次のとおりです。

①ヒトデ資材
漁業で厄介者となっているヒトデを乾燥させ粉砕させた資材です。発育が良くなり病気発生も防ぐ効果あると
のことで購入して使用しましたが、元々、害虫・病気の被害がなかったので継続しての使用になりませんでした。

ところが、仲良くしている農家の見解では収穫後に作物の保存性が飛躍的に上がるそうです。

②バットグアノ
コウモリの糞や死骸が蓄積して化石化したものを肥料とした資材です。有機質リン酸 の含有量が多く特に果菜類
の味を安定(甘みがのる)させる目的で使用しましたが、味に変化なく使用中止としました。

以上が、今までに使用した有機資材の内訳と評価です。

まとめ:自然の原理原則を知らなければ有機農業の発展はない

有機栽培を開始してから使用する資材の中心は、EMを利用した資材でほとんどが自家生産です。

EM利用を前提としていたため、EM以外の資材は貝化石ぐらいでした。

これで害虫・病気の発生や発育不良・収穫量の減収等の問題を抱えていたならば、他の有機資材を利用していたかもしれません。

ところが何も問題は起きなかったのです。多分、土壌が醗酵型になっていたからで農業問題は全て土壌の問題ではないでしょうか。

有機農家の中には、慣行農法の技法をそのまま有機栽培に置き換えて実施している農家が見られます。

たとえば、化学肥料の変わりに無機質肥料を利用して害虫・病気に対しては有機資材の農薬を使用しているのです。

現代農業は、土壌の微生物層を化学肥料や農薬で破壊するので害虫・病気が発生し、その対応策として農薬が使用されるの繰り返しを行い、無駄な経費と手間暇をかけているのです。この状態を一部の有機農家は有機資材を使用するだけで、同様な思想で置き換えているから経費も手間暇も慣行農法以上にかかり苦労しているのです。

早く気づけよ言いたいですね。

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