EMを利用した複合型農業の経験談を語る③

EM技術

2024年1月31日更新

私がEMと関わったのが2001年からで、そこからEMにのめり込み、最後は職場であった障害者福祉施設の新規事業として「福祉的就労の場」を目的とした新規事業所の立ち上げまでに至ります。

その新規事業はEM技術を利用した合鴨・有機野菜事業を組み合わせた複合型農業です。

最後にこの事業以外にレストラン事業も加わります。

今回は、この経過を連載で語らせていただきます。

連載の三回目は、有機栽培を始めるための準備段階で行った堆肥作りを中心に説明させていただきます。

▼EMについて知りたい所から読む方はこちら▼

大量の生ゴミを処理する

作業部門を統一して福祉的就労の場である新たな就労支援事業を立ち上げる計画が動き出し本格的に始動するまでに1年間の準備期間がありました。

この期間に準備したのは堆肥作りでした。

本体である障害者支援施設は入所型施設であったために1日3食を利用者へ提供している関係上、残飯処理が問題となっていました。

どこの施設でもコストをかけて残飯処理用の設備を設置し処理していたのです。

私達が進めようとしていた有機栽培では、この残飯をEMで堆肥化して有効活用することを計画していました。家庭菜園でEM生ゴミ堆肥の力を体験していた以上は当然のことです。

また、合鴨飼育・屠殺時に出る廃棄物も同様な計画を持っていて検討した結果、堆肥舎を建築することになります。計画では本体施設から出る残飯と合鴨飼育・屠殺時に出る廃棄物をEM技術で処理して有機栽培で利用することになったのです。

堆肥舎建築はD型の内部をコンクリートの壁で囲うタイプで、ここにもEM技術を取り入れました。

このEM技術は簡単なものでコンクリートに通常は、EMセラミックスを添加するものです。
ただし、コストが増えるので簡易方法に切り替え、貝化石をEM活性液に1~2日漬け込みそれをコンクリートに添加する方法です。

効果としては、「有機物が腐敗しにくくなる」、「発酵が促進する」が期待出来るそうです。

EMセラミックスの効果は、現代科学では証明されていませんが、たとえば「粉末のEMセラミックスでEMボカシと同様に生ゴミを発酵させることが出来ます」し「EMセラミックスを添加したコンクリート容器に生ゴミを保管するだけで生ゴミが発酵する」ことは現実なのです。

それでは実際の効果はどうだったのかは実感でしかありませんが、確かに生ゴミ、合鴨屠殺時廃棄物の腐敗することは少ないとしか言えません。

残飯と合鴨屠殺時の廃棄物を処理する方法とは

処理方法の前段階において、残飯の場合は「生ゴミ処理バケツ」に生ゴミとEMボカシを入れて和えて保管します。合鴨屠殺時の廃棄物は「保管容器」にEM活性液を100倍に希釈した液を作り、そこに廃棄物を入れてから数時間漬け込みます。

この処理で残飯も合鴨屠殺時の廃棄物もEM密度が上がり嫌気性発酵しやすい状態となります。

堆肥舎へ移動して残飯と合鴨屠殺時の廃棄物を処理します。

下地として「土を敷料としてひいて、その上に生ゴミを散乱させてから土を被せます。ようは土と生ゴミをサンドイッチ状にするのです。この工程を残飯と合鴨屠殺時の廃棄物が発生するたびに繰り返します。

悪臭が発生すれば、EM活性液を希釈して散布します。希釈倍率は悪臭度合いより調整します。

堆肥舎が一杯になったら、次の堆肥舎へ移行します。

1年間位、放置しておけばEM堆肥の出来上がりです。通常の堆肥作りは好気性なので常に切り返しが必要となりますが、EMの発酵は嫌気性なので切り返しは不要なので放置しておくだけでいいのです。

出来上がった堆肥は路地栽培の畑で利用していました。ハウス栽培では簡単に生ゴミを利用する方法がありますので、後日、紹介します。

まとめ:EM技術を利用した生ゴミ処理は簡単で経費削減も可能です

EM技術を利用した生ゴミ処理をまとめると、次のとおりとなります。

①新たに堆肥舎を建築する場合は、EM技術を取り入れて堆肥化を促進させる。
堆肥舎建築時に使用するコンクリートに、通常はEMセラミックスを添加することで「有機物が腐敗しにくくなる」、「発酵が促進する」が期待できます。

EMセラミックスは高額なのでコスト削減するためには、貝化石をEM活性液に1~2日漬け込み、それをコンクリートに添加する方法もあります。

同様な方法で施工したコンクリート容器で、生ゴミが発酵すること、粉状のEMセラミックスを使用してEM生ゴミ堆肥を作れる事実が、このEM技術を証明する要因となっています。

②処理する生ゴミは、必ず前処理が必要です。
必ず前処理が必要かと言えば、そうではありませんが失敗をなくす意味での発酵を促進させるための努力です。

EMボカシとEM活性液を使用する方法がありますが、お勧めはEM活性液でコストが少なくて済むからです。EM活性液を100倍程度に希釈して生ゴミに散布して撹拌するが、一般的方法です。

原則はEM密度を上げて発酵促進を図ることなので、置かれた環境により最善の方法を検討することも必要です。

③堆肥舎での作業は、土と生ゴミをサンドイッチ状態にすること。
処理に使用する土を手に入れることが難しい場合があります。使用する土は工事時に出る排土等、品質が劣る土でもEM処理すれば問題はありませんので、各方面からの調達を検討してください。

ここで言うEM処理は、土にEM活性液を100倍前後に希釈し散布して寝かせておくだけです。

④1年間切り返しせずに放置していればよい。

⑤もしも悪臭が発生したら、重機で山を切り崩して平らにしてEM活性液を100倍等の濃い希釈液を
散布してから、また山の状態に戻せば悪臭は解消します。

海外ではEMを利用して家庭から出る生ゴミを、とても簡単は方法で、また簡単な施設で処理する事例が報告されています。

海外の事例を参考にすれば、より簡単にお金のかからない施設を利用して生ゴミ処理が出来るのです。

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