トランプ政権は国際刑事裁判所を完全に潰そうとしている

トランプ大統領

2026年10月6日更新

トランプ米大統領は、国際刑事裁判所 (ICC)がアメリカや同盟国であるイスラエル等の非加盟国当局者に対して、管轄権のない捜査や逮捕状の発付を行っていることに不満を持っていました。

その不満が爆発したのが、2026年8月にトランプ政権が日本人の赤根智子ICC所長らを制裁対象に指定したことに繋がります。しかし今回の制裁は、始まりに過ぎないようにも思えます。

それでは検証してみましょう。

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トランプ大統領の国連総会での演説が示唆することは

国際刑事裁判所(ICC)という組織は世界中の凶悪な戦争犯罪、例えば民族浄化等のジェノサイドを起こした国を裁くのではなくて、戦争を起こして一般市民を大量に虐殺した大統領だとか首相だとか軍のトップ、彼ら個人を特定してピンポイントで捕まえて裁く国際裁判所です。

しかしトランプ大統領は国際刑事裁判所(ICC)に対して国連総会の演説で以下のとおりに言っています。

「私たちはアメリカ兵やその他の誰であれ、私たちに対する管轄権を持たない判例の法廷よって操作されたり見せしめ裁判にかけられたりすることを決して許さない」と宣言しているのです。またアメリカは国際刑事裁判所(ICC)に入ってません。アメリカだけじゃなくて中国も入ってないし、インドも入って ないし、ロシアも入ってないし、 イスラエルも入ってませんで、アメリカは自分たちが入っていないのに、しかしそのアメリカ軍隊のアメリカ兵がこの法廷で見せしめで裁判をかけられる。絶対に許さないと言っています。

併せて国際刑事裁判所(ICC)の加盟国全てに対してこの無法な国際機関から直ちに正式に脱体するよっていう風に呼びかけたんです。国際刑事裁判所(ICC)は国連の機関ではありませんが、協力関係にはあります。その国連総会の場で、世界の首脳が集まってる場で加盟しているならば、今すぐ脱退しなさいとも言ったんです。

国際刑事裁判所(ICC)をすでに離れる国が出てきています。マリ、ブルキナファソ、ニジェール、ベネゼラ、 チャドこういう5カ国が脱体を正式に表明しています。チャドはアメリカから加盟を見直すように求められて、その他の3カ国はいずれも近年クーデターによって軍事政権が誕生し、国際刑事裁判所(ICC)を「新植民地主義的抑圧の道具」であると非難し、西側諸国と距離を置いてロシアに接近する中で「国家主権の回復」を掲げて脱退を選択しました。

つまり国際刑事裁判所(ICC)の不審はアメリカだけのものではないんです。

国際刑事裁判所(ICC)設立の本当の目的とは

そもそも国際刑事裁判所(ICC)とは一体誰が何のために作った組織なんでしょうか。1990年代に世界で起きたジェノサイドは悲惨でした。アフリカのルアンダの虐殺1944年、少数派の土族などが多数派付属の過激派によって大量に虐殺されました。推定では80~100万人とも言われています。当時のルアンダの国民の1~2割に当たる人が犠牲になっています。

また同時期にはヨーロッパでも旧ユーゴスラビアの虐殺が1990年代にあり、特定の民族が組織的に虐殺されました。特にイスラム系の男子や少年を中心に約8000人が犠牲になったのです。これらのジェノサイドと言える大量虐殺が90年代に続いて、それに対して国際的に戦争犯罪を裁く裁判所が必要ではないかということから始まったのです。

しかし問題は、これらの表面に出ている目的ではなくて、一体誰が設計図を書いたのか、この素晴らしい理想的な目的の組織の設計図は一体誰が書いたのか、それが国際刑事裁判所(ICC)設立を求めるNGO連合でした。色々なNGOあり、それが連合を作って国際刑事裁判所(ICC)設立を求める活動を始め、それが1995年に「コーディネーションforザICC」という組織を作り、数年後に国際刑事裁判所(ICC)の条約をまとめたローマ会議が行われてローマ規定ができたのです。ローマ会議に参加したのは主権国家ですが、そこにNGOの連合が入って影響力を振ったわけです。

つまり実際に国際刑事裁判所(ICC)を作ったのはNGOの連合ということになります。

このNGO連合を作った中心は世界連邦運動という組織です。つまり国家を超えた世界規模の統治を目指すということを公言している団体で、国家を超えた世界規模の統治、つまり世界政府や地球規模の統治を目指す構想である「グロー・ワールドガバメント(世界政府・地球政府)」は、まさにグローバリズムの究極的な形態や典型例です。これを目指している組織です。

「グロー・ワールドガバメント(世界政府・地球政府)」は、国境を越えて地球全体を一元的に統治しようとする思想や概念であり、グローバリズム(地球主義・世界一体化)の究極的な形態です。

世界連邦運動という組織に資金提供していたのはEUです。グローバリズムの組織の典型であるEUが最初にお金を出して、アメリカのフォード財団、マッカーサー団 、ジョージソロス系のオープンソエティ、さらにEU参加にあるヨーロッパの数国が出してるわけです。その世界連邦運動がローマ会議で国際刑事裁判所(ICC)を設立させるわけで、そこで勝ち取ったものは何なのかと言うと国連の安保理に左右されない独立した検察官としての権利を得たことになります。

だから国連にとやかく言われないで自由に操作できる。そして国家元首でも戦争犯罪をしたのであれば免責されない。そういう仕組みにする。そして全ての国の加盟を目指すことになります。

国際刑事裁判所は国家の上に立つ手法を実現しようとした

この手法は大国の政府が止められないような検察官、そういう検察官がいる裁判所、 その検察官が自分の判断で捜査を始められる。アメリカが何と言うと、ロシアが何と言うと、自分の判断で捜査ができる。実際アメリカやロシアが加盟していようと、していまいと裁判ができるという仕組みなんです。

加盟していない国の国民でも、加盟国の領土で犯罪を犯したとされば裁かれる。そういう例がいくつかあったわけで、その1つと してアメリカ兵だったり、イスラエルの指導者ネタニアフであったり、こういう人たちが国としては加盟してないんだけど対象になっていたのは、まさにこの仕組みのためなわけです。この世界連邦を目指す人たちから見れば、この国際刑事裁判所(ICC)というは国家の上に立つ手法っていうことで、それを初めて実現した大きな一歩だったわけです。選挙で選ばれた政府ではなく、国際法の専門家であるとか、NGOがその上に行く、その上に行って何を裁くかは彼らが自由に決められる。まさにグローバル組織の完成系です。

その国際刑事裁判所(ICC)の資金源は加盟国の分担金です。2023年予算の分担金割合は、1位が日本15.9%、2位がドイツ 11.4%、フランス8.5%、イギリス8.2%、イタリア5.9%。2位以下 ヨーロッパです。日本は年間45億円という一番のスポンサーになってるわけですが、ヨーロッパの発言権が強く、実際にはヨーロッパクラブと言ってもよい存在なのです。

次に実績ですが、2002年に設立以来、手掛けた事件はわずか31件です。24年間で31件有罪になったのは10件です。しかし組織の年間予算は2億ユロ(360億円)で、そのうちの15%以上が日本の負担です。こんなにお金を毎年使っているのに少なすぎると思える件数です。

まとめ:本格的に国際刑事裁判所へのアメリカの制裁が始まる

このようなグローバル組織の完成系とも言える国際刑事裁判所(ICC)に、トランプ大統領が最初に赤根智子ICC所長らに制裁を加えました。しかし、これで終わりではありません。前回ブログ「トランプ政権の国際刑事裁判所への制裁目的は」で示したとおり国際刑事裁判所組織全体を対象とした大規模な追加制裁の実施に向けて準備を進めていると主要メディアが報じています。

この追加制裁が同じく金融制裁であれば、米国人や米企業によるICCとの資金・物品・サービスの取引を原則禁止する内容になります。実施されればIT、保険、捜査、給与支払いなど、裁判所の日常業務にまで影響する可能性があります。

ここまでくれば、完全に国際刑事裁判所(ICC)を潰す試みであることが明確になります。

そして日本も無関係ではありません。国際刑事裁判所(ICC)の赤根智子所長は米国の制裁に対して日本等の各国を回って「私は負けない」などと救いを求めていますが、その中でも日本は国際刑事裁判所(ICC)最大の財政支援国であり、米国との対立に巻き込まれ日本も当事者に近づいていく構図になっています。

「国際司法」を掲げる国際刑事裁判所(ICC)と、「米国の主権や非加盟国への管轄権」を問題視するトランプ政権、これは単なる制裁合戦ではなく、国際司法はどこまで国家の主権を超えて活動できるのか。その活動を支える資金と国際金融網をどうするのか。いよいよ真正面からぶつかり始めたのです。

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